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心理療法はなぜ効くのか?―すべての人に効果的な心理療法を提供するために



担当者 山本竜也:人間文化研究科(心理教育学科)、講師、(専門分野)臨床心理学
最近では心理療法や精神療法、カウンセリングなどへの敷居が下がってきつつあり、心の問題が生じたときに、これらの支援を受けることができるようになってきています。また、2015年には心理職の国家資格である「公認心理師」に関する法律が公布され、心理支援への期待は上昇しているといえます。そのような中で、いかに効果的な心理支援を行うかということは非常に重要なポイントです。専門職として社会に対する説明責任を果たし、ご相談をされる方に対しても納得のいく説明を行う必要があります。
悲しい気持ち、憂うつな気持ちといった気分の落ち込みは、非常に多くの方に認められる状態です。このような気分の落ち込みに対しては、認知行動療法という心理療法の一種が非常に有効であるということが数多くの研究で明らかにされています。
当研究室では、気分の落ち込みを対象にして、認知行動療法がなぜ効果的であるのかという点を研究しています。たとえ気分が落ち込んだ状態であったとしても、それを改善するような行動があります。その一例に、「正の強化を受けるような行動」があげられます。言い換えると、達成感や喜びなどが得られるような行動のことです。このような行動を行うことで、ポジティブな気分が上昇し、さらには他の抑うつ症状が改善していくことが明らかにされており、その効果は比較的大きいことが明らかになっています。
これからも当研究室では、心理療法がなぜ効くのかということや関連分野の研究を遂行し、研究結果に基づいた丁寧な心理支援を行っていきます。